城彰二 エースのプライドを見せつけた魂のゴール

配信日:2015/11/06 19:15 Written by 佐藤 文孝
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城彰二 エースのプライドを見せつけた魂のゴール
10 Jun 1998: Shoji Jo of Japan shoots at goal in the match between Jamaica v Japan in the 1998 World Cup played in Lyon, France. \ Mandatory Credit: Clive Brunskill /Allsport
一国の代表選手ともなれば、海外での戦いの後、観衆からかけられるのは華やかな歓声ばかりではない。
罵声、怒号、そして、水。
17年前、初のワールドカップの戦いを終えた日本代表のいフランスからの帰国の際、若き日の城彰二が成田空港で水をかけられるという場面を憶えているサッカーファンは少なくないだろう。

3試合を通して1ゴールのみに終わったフランスワールドカップでの日本代表。大会前、指揮官から『FWの軸』に位置づけられていた城はグループリーグ3試合にスタメン出場したものの、得点を匂わせる場面に一つも携わることなく帰国。空港にて屈辱的行為に遭う。

しかし、これだけは断じて言える。
フランスでは城個人が劣っていたわけではなく、チームとしての攻撃力が乏しすぎた。

この時期、彼は『エースの城』と呼ばれていた。
そして、前年のジョホールバルにおけるイラン戦の起死回生の同点ゴールとともに、日本サッカー史上、最も重要なゴールの一つをもたらしてくれたFWであるといっても過言ではない。

日本がフランスで世界を知ることになるその少し前、1998年3月1日のダイナスティカップ・対韓国戦。後の日韓W杯やクラブワールドカップ等の決勝の舞台としても使用されるスタジアム、横浜国際総合競技場の杮落しとして行われたこの試合、前年のワールドカップ最終予選での同カードとは全くの別物の緊張感に包まれ、史上初めて両国ともワールドカップ出場が決定したうえでの日韓戦はかつてないほどの色濃い『絶対に勝たなければならない』空気の中での戦いだった。

2002年のワールドカップ共催が決定して間もなかったことから、久しく行われなかった定期戦が再開される等、現在とは比べ物にならないほど頻繁に行われていたこの90年代後半の日本対韓国という代表戦。
そのなかでも極めて重要な意味を持っていたこの試合では予想通り、崔英一、李敏成をはじめとする屈強な韓国DF陣は青いユニフォームの背番号18を徹底マーク、潰しにかかっていた。その中で、1対1で迎えた後半ロスタイム、試合を決めるゴールを挙げたのは城彰二。新スタジアムの大観衆を熱狂させた終了間際の決勝点からは厳しいチェックにあいながらも冷静に、且つ激しく戦いを続けた城の、頼もしさとプライドが感じられた。その僅か数分前、接触プレーで歯を二本折られていた中での、韓国代表を沈める気迫のこもったゴールだった。

たとえワールドカップの舞台で無得点だったとしても、心ないファンから水をかけられようとも、TV解説者から罵られようとも、城彰二というプレイヤーの功績が色あせることはない。

彼は間違いなく、日本のエースだった。
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