シンガポール戦で日本代表ができなかった事

配信日:2015/06/18 21:00 Written by 中山 亮
まだ評価がありません
シンガポール戦で日本代表ができなかった事
ワールドカップアジア2次予選の初戦シンガポール戦は0-0で引き分けとなりました。
ハリルホジッチ就任後初の予選、相手はFIFAランキング154位、ホーム、勝って当然、何点取れるか、という期待の中で行われた試合での試合でしたからスコアレスドローという結果に対してスタジアムではブーイング、さらにメディアからも様々な不満が出ています。

とはいえ、この試合を見てみると、10回あれば9回は勝てる試合だったと思います。ハリルホジッチ監督が会見で述べた様に「試合を支配し続け、19回ほどの得点機をつくったが、長いサッカー人生の中でこのような試合を見たのは初めてだ。」というのも真実で、例えばシンガポールのキーパーが毎回あれだけ止めれるとは考えにくい。前半の決定機のうち1つでも決まっていれば、特にいい形でなくてもたとえ事故の様な形でも1つ決まっていれば、大勝していた可能性もある。両チームにはそれぐらいの差はありました。
しかし「今回は運が悪かった」で済ましてしまっていいものかといえばそういう訳でもなく、「遊び心が足りない」とか「個の力が足りない」とか結局何の事を言ってるのかよくわからない何かでごまかしてしまう事もなく具体的に起こった事で考えてみましょう。

まず相手のシンガポールは4-1-4-1。時々攻めてきますが人数をかける事はほとんど無く、基本は撤退、そして中央に密集していました。
という事は、ハリルホジッチが就任してからの合言葉「縦に速い攻撃」は難しい。というのも「縦に速い攻撃」とは「相手が人数を揃えて守備陣系を整えてしまう前に攻めてしまう」という事をシンプルにまとめた言葉ですから、最初から「相手が人数を揃えて守備陣形を整えてしまう」状態であれば意味の無い話しです。
考え方として「相手が人数を揃えて守備陣形を整えてしまう」状態にさせないという方向性もありますが、それはまた別の話し。という事で必要なのは人数を揃えて守備陣形を整えた相手をどう崩すか。ブロックを下げて中央に密集した相手をどう崩すかという事です。

ブロックを下げて中央で密集するシンガポールに対して、この試合の日本代表はどんどん中央に人数をかけました。本田はシュートを打つために中に入り、宇佐美も中央へドリブル、香川も中央、岡崎も中央、そして日本が中央に人数をかけてくるのでシンガポールもどんどん中央に寄ってくる。
それでもあれだけのチャンスを作っていたのはある意味凄いことですが、これは誰が考えても効率が悪い。
なので、前半の途中からサイドから攻撃するように、ハーフタイムには「できるだけ外からボールを入れてくれと。」指示を出しています。その結果後半の立ち上がりは本田も宇佐美も最初はサイドにいました。が、しかしすぐに中央へ。さらに大迫・原口・武藤を入れるも中央の渋滞は緩和されず、サイドバックからのクロスもうまくいかないまま、ブロックを下げて中央に密集した相手を崩す方法は最後までみられませんでした。

最後までできなかった、ブロックを下げて中央に密集した相手を崩す方法。
これは現在のサッカー界では、ある程度セオリーが出来上がっています。
それがハリルホジッチも実際に指示をしたサイドからの攻撃です。
このサイドからの攻撃。この言葉だけを聞けば「サイドからどんどんクロスを放り込む事」だと考えてしまいがちですがそういう事でなく、サイドから攻撃をする事で中央で密集している相手をバラけさせようという事です。
なので、本田・宇佐美はもっとサイドに開いておかないといけません。これまでもザッケローニが就任中に何度も言っていた「サイドハーフのスタート地点はワイドの位置」と同じ事です。
サイドに開いた位置から攻撃を始めることで相手のSBやSHは中央から外に出てくる。となると中央で密集している時よりもバラけさせる事ができるのです。

例えば右サイドに開いた位置から攻撃を始める形を具体的に考えてみると、

1.右SHが開いた場所でボランチからボールを受ける。その前には右SBがオーバーラップ、右SHは右SBにボールを出す。右SHは相手の左SHが、右SBは左SBが担当。
2.ボールを出した右SHは相手左SBのすぐ内側まで前進、その時に相手左SHもついてくる。
3.右ボランチが一旦前に出るふりだけしてバックステップして右SBからのパスを受ける、相手の左CHがついてくる。なので右ボランチはすぐに斜め後ろの左ボランチにパス。
4.その瞬間右SBが相手左SBと左CBの間を縦に抜ける、そこに左ボランチからスルーパス
これだけで崩す事ができ、SBからのマイナスのクロスをトップ下がゴールという形に持っていく事ができます。

文字だけでは全くわからないと思いますが、実はこれは参考動画の1分35秒頃から、2014年12月20日に行われたマンチェスター・シティ対クリスタルパレス戦でのマンチェスター・シティによる先制点の形です。クリスタルパレスは4-1-4-1で中央に密集。前半からチャンスは作るものの決められず、クリスタルパレスの守備に手を焼いて前半は0-0。しかし後半開始早々にマンチェスター・シティは特別なスキルを使うこと無く、またむしろ遅すぎるぐらいのスピードで崩しきってしまいます。

これを見ると「遊び心」や「個の力」の前に必要な事が沢山ありそうです。

出展元:https://youtu.be/PF75Wk42niU?t...

この記事を書いたライター: 中山 亮 このライターの他の記事を見る

■おすすめ記事

■関連付けられたタグ

 ハリルホジッチ  日本代表
[タグを付ける]

コメント

まだコメントはありません。

新しいコメントを投稿する

 画像選択

サッカーが好きな人はフォロー!
「サッカーちゃんねる」ならではの情報をお届けします。

ぼくらのプロレス

プロレス好き必見!
ファン目線のプロレスサイト!

週間ニュースランキング