浦和レッズ1stステージ優勝記念 今さら聞けないミシャシステム1

配信日:2015/06/30 00:09 Written by 中山 亮
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浦和レッズ1stステージ優勝記念 今さら聞けないミシャシステム1
2004年以来の2ステージ制となった明治安田生命J1リーグ。2015年の1stステージは浦和レッズの無敗優勝で幕を閉じました。
年間優勝は2ndステージ及びチャンピオンシップによって決定しますが、浦和レッズにとっては2007年のACL以来のタイトル獲得。ミハイロ・ペトロビッチ監督にとっては2008年サンフレッチェ広島のJ2優勝以来のタイトルとなります。

浦和レッズを率いるミハイロ・ペトロビッチ氏は、そのニックネームをとった「ミシャシステム」と呼ばれる一風変わった独特のシステムで戦います。広島時代からはじめてそこから使い続けているので有名なシステムとなりましたが、一般的なやり方とどこがどう違うのかまだハッキリわからないという方もおられるかも知れませんので、改めて「ミシャシステム」について説明してみます。

浦和レッズのフォーメーションは3-4-2-1で表記されています。
現在はGKには西川、3バックは森脇・那須・槙野、ボランチは阿部・柏木、WBは右に関根、左に宇賀神、シャドーには武藤・梅崎、1トップに興梠というのが最も多い形でしょうか。
しかしこの3-4-2-1は守備の時の形でしかありません。ボールを持った時には4-1-5の形に変形。ボランチの1人が最終ラインに降りて3バックが広がる。WBは前線にまで飛び出してシャドーやCFと並んで5トップの様な形になります。
なので攻撃の時の役割で書くと、GK西川は変わりませんが、右SBに森脇、CBに那須と阿部、左SBに槙野でこの4人で4バックを組むDFライン、中盤は真ん中に柏木が1人、前線は関根が右WGで左WGに宇賀神、そして真ん中に梅崎・興梠・武藤が並びます。

この4-1-5というシステムは元々は対4バック、主に4-4-2系のチームの守備を無効化させる為に作られたいわゆるハメ技でした。
まず最初に5トップという事は守備側が4バックだとこの最終局面だけをみると常に数的不利の状況になっています。
そして次に中盤の1。この選手の前には通常ダブルボランチがいます。がしかし、後ろは数的不利になっているのでこのダブルボランチが単純に捕まえに行くのは難しい。
なのでこの1人は浮きやすい状態になっています。
そしてその後ろには3バックから4バックに変わったDFライン。
4バックに変わった事で4-4-2のSHはSBを担当する事になっているので、2トップが2CBを対応する事になる。がしかしその前には浮きやすい中盤の1人がいる。
なのでこの2CBと中盤の1人の3人で2トップに対して数的有利を作っています。
もしこの中盤の1をボランチがしっかり捕まえて2トップで2CBをしっかり捕まえる事ができたとしてもその後ろにいるGKを使って数的有利を作る。浦和のGKに足元のプレーが必要なのはそういった理由です。

そしてここから後ろからゆっくりボールをつないでその数的有利をゴール前に持っていく。最近はそうでもなくなってきましたが、以前は後ろでゆっくりボールをつないでいたのはこのやり方にとって重要なポイントになっており、これによって主に3つの効果を生んでいました。

1つめは両アウトサイドが前に出る時間を作る事。
守る時は5バックで自陣で人数をかけるので両アウトサイドは最終ラインと同じ高さのかなり低い位置に下がってきています。それが攻撃になると5トップの両サイドとなるのでそこまで上がっていく時間を作らないといけません。この時間を後ろでゆっくりボールをつなぐ事で作っています。

2つめはボールを保持する事でアップダウンの回数を減らす事。
1つめで書いたように守備の時は後ろで人数をかけ、また両サイドはかなり低い位置まで下がってきます。このアップダウンはかなりハードなのでその回数自体を減らさないととてもじゃないけど体力的に持ちません。なので後ろでゆっくりボールを繋ぎボール保持率を上げる事で相手の攻撃回数を減らしアップダウンの数を減らしています。

3つめは相手を引き出す事。
ここまでで書いたように相手の最終ライン4人に対して前に5人並べるのでその局面だけ見れば数的有利を作りますが、後ろの3人ないしはGKを含めた4人で相手の2トップを外したとしても実際はその前にも中盤の4人がいるので守る事は可能です。
そこで後ろの3人でボールを繋ぐ事で、フリーになったCBやボランチがボールを運ぶ事で、そして両SBに変化した3バックの両サイドがオーバーラップしていく事で中盤の4人を前に引き出す。そしてその引き出されて空いたスペースに1トップ2シャドーの中の誰かが下がってきて、そこにボールを入れる。
この時に引いてくる選手と逆に裏に抜ける選手とが相互に動く事で相手のブロックをずらし、また5人のポジショニングを徹底する事でワンタッチのフリックを多用し、フリーの選手を作る事で、最終ラインで5対4の数的有利を活かす事ができるようになっています。
この動きは非常にシステマチックで、ミシャシステムではボールがある場所によってどのポジションの選手がどこの位置にポジショニングするかという事、そしてそこから例えばCFにボールが入ればシャドーがどう動く、WGはどう動くのかという事がオートマチックに決まっていますので、相手の対応よりも速くフリーの選手をつくる事ができ、ピッチ上の選手は相手の形を見てどのパターンを選択するのかというだけになっています。

また浦和と戦っている時に一番外側でフリーになっているWGを使われてしまうシーンをよくみます。
4バックだと相手の人数が1人多いので基本的には余ってしまう事は仕方ないです。ですが、サイドチェンジなどの長い距離のパスであればパスが届くまでに時間がかかるのである程度は対応できそうなものなのになかなか対応できない事の方が多い。
そうなってしまう理由は、サイドチェンジの時に一番外側の1つ手前の選手(主にシャドー)が斜めに中に入ってくる動きをしているから。このフリーランニングによって相手の一番外の選手(主にボールと逆サイドのSB)が引っ張られる事になり、一番外側の選手がボールを受けやすい状況を作っています。この動きも予め決まっているのでオートマチックに守備側の対応よりも速く選択できるようになっているのです。

ミシャシステムの基本的な動きはこういった所。
しかし浦和レッズとペトロビッチ監督はタイトルを取るまでかなりの時間を擁する事になりました。
そうなった理由の1つは対戦相手にマッチアップを合わせたミラーゲームを挑まれるようになったから。
これについては「浦和レッズ1stステージ優勝記念 今さら聞けないミシャシステム2」で書いていきます。
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