浦和レッズ1stステージ優勝記念 今さら聞けないミシャシステム2

配信日:2015/06/30 00:11 Written by 中山 亮
まだ評価がありません
浦和レッズ1stステージ優勝記念 今さら聞けないミシャシステム2
「浦和レッズ1stステージ優勝記念 今さら聞けないミシャシステム1」で書いたミシャシステムの4-1-5。4-4-2系の相手に対して作られたこのやり方は、当時4-2-3-1を含めた4-4-2系のシステムを採用するチームが主流であったからでした。
しかしこの4-4-2系に対するハメ技とも言える4-1-5で勝利を重ねると当然相手も研究してきます。
そこでそのミシャシステム対策として増えていったのは、普段は4-2-3-1などのチームでもこの対戦に限って3-4-2-1にする事でした。
この方法をとる事によってWBを下げて守備をすると4-1-5の5トップに対して5バックとなり数的同数で対応できる。となるとダブルボランチは気にせずに中盤の1を捕まえる事ができる。
ミシャシステムの2CBの所が1トップで対応する事になるので数的不利にはなっていますが、ここは危険な場所ではないのでOK。と考えた訳です。
今では他の方法を取るチームもありますが、この方法は現在でも採用するチームがありますし、またこれによってJリーグで3-4-2-1を使うチームが増える要因の1つにもなるほど一定の効果があるものでした。

マッチアップを合わせてミラーゲームにする。これはマンツーマン的な考え方なので、もちろんマッチアップしている1対1で負け続けるとピンチになってしまいます。がしかし、一定以上の能力がある選手が揃うならシステムのズレが起こらないのでそう簡単にはやられません。
そしてマンツーマンでマッチアップを合わせているという事は逆に守備の時にもマッチアップがあっているという事。という事はお互い無理をしてボールを奪いに行けばそこから空いてしまう可能性がある。
ということでお互いボールを取りに行かない、そして無理して攻めこまない。取りに行かない限りはバランスを崩して穴を作らないし、無理して攻めこまない限りカウンターを受ける事も無いという、いわゆる塩っぱい試合が時々見られるようになります。
ミシャシステムについてちょうどこの様な展開が見られるようになってきたのが2012年ごろから、ミハイロ・ペトロビッチが浦和レッズの監督に就任した頃の事です。
ここから2014年頃までは柏木のポジションはシャドー、同じ設計の元で作られた広島も高萩がシャドーでしたので、パスで違いをつくる事ができる選手はアタッキングサードで変化をつける枠割を担っていました。

相手にマッチアップを合わされる事が増えてきたという状況に対して、広島はここからバランスを整える、相手が動いてこないなら我慢するという戦い方を選択し2012年2013年と2年連続リーグ優勝を成し遂げた事と対照的に、ミハイロ・ペトロビッチは自らの哲学にそってこちらから仕掛けていく、アクションを起こす戦い方を推し進めようとします。
その結果2013年に槙野・森脇・那須・興梠といった今のベースとなる選手を獲得し、停滞した時にSB的な役割をもつ槙野・森脇が攻め上がり、さらに那須も中央から上がっていく。
そしてさらに4-1-5の進化系として5-0-5システムを見せるようになります。
この5-0-5システムはいかにもミハイロ・ペトロビッチ的な方法論でした。
中盤の1がマンツーマンで捕まえられるなら、中盤の1に入る選手を固定するのではなく入れ替えてしまおう。なのでボールを持てば中盤の1の選手もも最終ラインに下げてしまう。これによって中盤の1をマークしていた相手選手を引っ張りだす。そしてその代わりに元々2CBを組んでいた別のもう1人が出て行ってフリーにしてしまおうというやり方です。
攻撃に人数をかけるスタイル、5-0-5、2014年には日本代表GK西川の獲得もあり、さらに守備でもこれまでは自陣に撤退がベースだったものが相手の守備がこちらのシステムに合わせている事を活用して前線の高い位置から守備をする時間帯を増やすことで序盤は圧倒的な強さを見せますが、2年連続で終盤には代えの効かない選手の疲労の蓄積や、あまりに攻撃に人数をかける事でカウンターを受ける場面が増えてしまい失速。タイトルを逃してしまいます。

そして迎えた2015年。
5-0-5というあまりに特殊なやり方と、必要以上に攻撃に人数をかける事をやめ、柏木をDFラインに下がらないボランチに固定、さらにWGを務める関根の成長や仙台から獲得した武藤がすぐにフィットした事もあってリーグ戦では圧倒的な強さを見せるようになります。
ACLで早期敗退してしまった事は残念ですが、リーグ戦に限っていえばこれもプラス材料でした。
この2015年バージョンのミシャシステム。もちろん先に書いた全ての要素などが重要な特徴ですが、その中でも最も特徴的なのが柏木のボランチ固定でしょうか。
それまでも時折柏木がボランチに入る事もありましたが、やはりベースになるのはシャドーのポジション。彼のタメとパスの能力はシュートの1つ前のプレー、アタッキングサードでの変化に使われていました。
しかし2015年バージョンはその能力を前線の5枚を操る下がらないボランチ、4-1-5の1のポジションで発揮させようとします。元々ここは前線の5枚で相手の最終ラインをどのパターンで崩すかということを選択していたポジション。選択はしていますがいくつかのパターンの中から選ぶという形だったので、必要なのは正しい選択、特に変化をつけるプレーを必要とはしていませんでした。
しかし2015年バージョンはここで変化をつける方法を選択。つまり5人によるアタッキングサードでの崩しの回数バリエーションを増やす事にしました。柏木が前線近くにいなくなった分アタッキングサードでの変化には乏しくなりますが、それでも90分の中で数回はチャンスは作れる。そしてなかなかゴールが奪えなくても森脇と槙野の両サイドと那須は柏木が操る前線5枚によるアタックを信じて無理に上がっていく事を自重。これによるプラスとマイナスの収支がプラスに働き、接戦をものにできるようになった事で1stステージの無敗優勝につながったのではないでしょうか。

ただ、ここ数年の浦和レッズも前半戦は強さをみせており、失速したのは後半戦。
なので7/11から始まる2ndステージでも1stステージ同様の強さを発揮できるのかどうかには注目したい所です。
またこの2015年バージョンのミシャシステムは例年にない勝負強さを身につけていますが、それを支えている前線の5枚を操る柏木と、元々は前線の選手で守備がそれほど得意ではない柏木がボランチに入る事によってできた守備の負担をカバーしているもう1人のボランチ阿部という替えの効かない選手を新たに2人作ることになってしまいました。
浦和レッズの2ndステージはこの2人がどれだけ不安なくプレーできるか、またこの2人に変わる事ができる選手が出てくるのかがポイントになりそうです。
この記事を書いたライター: 中山 亮 このライターの他の記事を見る

■おすすめ記事

■関連付けられたタグ

 戦術分析  J1  浦和レッズ
[タグを付ける]

コメント

まだコメントはありません。

新しいコメントを投稿する

 画像選択

サッカーが好きな人はフォロー!
「サッカーちゃんねる」ならではの情報をお届けします。

ぼくらのプロレス

プロレス好き必見!
ファン目線のプロレスサイト!

週間ニュースランキング