日本時間５日未明に行われたドイツブンデスリーガ第８節バイエルンミュンヘン対ボルシアドルトムントの試合は、ホームのバイエルンが５－１で快勝した。

試合の序盤において両チームに共通していたのは、相手チームのアンカー役を抑えることであった。片方のサイドから反対側のサイドにボールを展開したりディフェンスラインから前線へボールを供給する時の中継点の役割も担っているこのポジションの選手に自由にやらせないことで相手のパス回しを限定しようという試みであり、ドルトムントのヴァイグルに対してはバイエルンのチアゴやラームが交代で、そしてバイエルンのシャビ・アロンソはドルトムントの香川がマンマーク気味に抑えてにかかる。

こうした両チームの戦い方によって、中盤でのパス回しを省略してディフェンスラインからのロングボールで相手守備陣の背後を狙う場面が多く見られるようになる。そして前半２６分のバイエルンの先制点もロングボールから生まれたものだった。センターバックのボアテンクがボールを持った瞬間に右サイドにいたミュラーがピッチ中央へ斜めに走り込む。この動きを見ていたボアテンクがミュラーめがけてロングボールを蹴り、相手のディフェンスラインの背後に抜け出したミュラーが相手キーパーよりも一瞬早くボールに反応してキーパーを抜き去り、無人のゴールにボールを流し込んでバイエルンが先制する。更に前半３５分、今度はピッチ中央付近でバイエルンがボールを奪ってからのカウンター攻撃の流れで、最後はペナルティエリアにドリブルで侵入したチアゴをドルトムントのムヒタリアンが足を引っ掛けて倒してしまい、バイエルンにペナルティキックが与えられる。これをミュラーが確実に決めてバイエルンがリードを２点に広げる。しかし２失点目の直後にドルトムントも反撃に転じる。前半３６分に右サイドから中に入り込んできたムヒタリアンがバイエルンの中盤とディフェンスラインの間でボールを受け、そこから素早く右サイドのカストロへ展開する。このパスを受けたカストロが中央に折り返し、最後はファーサイドから走りこんできていたオーバメヤンが押し込んでドルトムントが１点差に詰め寄って前半を終える。

後半開始早々に勝敗を大きく左右する１点がバイエルン側に入る。バイエルンの最終ライン付近でボールを持ったアラバから前線のレヴァンドフスキめがけてロングボールが送り込まれ、このボールに反応してドルトムント守備陣の背後に抜け出したレヴァンドフスキが最後はキーパーもかわして確実に決めてバイエルンが再びリードを２点差にする。ここでドルトムントは後半８分に香川とカストロに代えてロイスとヤヌザイを投入して攻撃の活性化を図るが、逆にバイエルンが後半１３分にレヴァンドフスキ、同２１分にゲッツェがそれぞれ追加点をあげて５－１となり、勝敗の行方を決定付けた。その後ドルトムントも中盤でのボール奪取からのカウンター攻撃で度々シュートチャンスを作り出すが得点には至らず、このまま５－１で試合終了となった。バイエルンは開幕から無傷の８連勝で勝ち点を２４とし、２位ドルトムントとの勝ち点差も７に広げることに成功した。