スコアレスのまま迎えた後半１６分、アルビレックスＭＦの端山がパスを受け、ドリブルでディフェンスをかわし、ペナルティエリア外から放ったシュートがゴール左隅に吸い込まれた。松本山雅ＧＫ村山は両脚をピッチに着けたまま、ボールを見送るしか出来なかった。

ゴール後、『ＧＯ、ＧＯ、端山！ＧＯ、ＧＯ、端山！！』とスタンドから大声援が鳴り響き、貴重な先制点を挙げた若きミッドフィールダーは真っ先にベンチに向かい柳下監督、そしてチームスタッフ全員と喜びを表現していた。

端山豪は今夏、Ｊリーグ特別指定選手として加入したばかりの現役大学生。加入直後よりベンチ入りを果たし、最近では既にスタメンに名を連ねることが常となっていた。
「ゴールの瞬間は頭が真っ白になった。重圧のかかる試合だったが、サポーターの声援に後押しされ最後まで集中することができた」
試合後のインタビューでの端山のコメント。

Ｊ１リーグ・２ｎｄステージ第１４節、アルビレックス新潟ｖｓ松本山雅。激しい残留争いを繰り広げる両チームの直接対決、後半１９分にもセットプレーから大井健太郎のヘディングで追加点を挙げた新潟が２－０で勝利した。オレンジと緑のサポーターで埋め尽くされたスタンドからは終始、両チームを後押しする声が途絶えることはなかった。敗れた松本山雅も新潟を上回る9本のシュートを放ち、ベテラン田中隼磨を中心に気持ちの伝わるプレーを見せ続け、アウェー側スタンドを埋めたサポーターも共に闘い、最後まであきらめることはなかった。

新潟のホーム今季最多となる３万１３２４人が見守ったこのゲーム、２２歳の若きアルビ戦士のスーパーゴールが、新潟のＪ１残留を力強く手繰り寄せた。